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V.【継続】評価見直

1.変動情報等の入手

(1)各評価情報の変動
継続管理では、各種の変動情報の取扱いが重要な役割を担っています。取引開始後はなかなか情報収集や評価の見直しなどに手がまわらず、取引先の変動を見逃しているうちに倒産してしまって焦付きが発生することがあります。取引先の信用度は、様々な事情によって変動しますので、定期的な見直しが不可欠です。
但し、すべての取引先について自らの手でこまめに情報収集を実施すると、非効率となってしまう場合がありますので、行動を起こすためのキーデータを定期的に入手できる状況を整えておきます。
評価情報として、TDB評点や倒産予測値などの外部指標を挙げることができます。これらについて、定期的に入手し変動の大きい取引先については、原因を究明し迅速に対応します。
評価情報は、第3者が評価した結果のデータであり、これを活用することで、一定の判断を下すための情報収集の手間を省き、データの入手時点で全取引先の一斉スクリーニングを効率的に行うことができます。
また、あらかじめ「予測値グレードで3ランク以上下降したら(倒産リスクが上がったら)、回収促進を行う」といった対応のための決め事を作っておけば、迷うことなく行動に移すことができます。
このように、評価指標を定期的に入手し、あらかじめ定めておいた対応方法を実行するという流れを作っておけば、いろいろな面で継続管理が効率的に回っていくことになります。

(2)顧客別債権管理

1)与信限度額超過情報
与信限度額は、「その企業に対していくらまでの債権を許容するか」という金額ですので、基本的にその範囲内で販売し、超過した場合は与信限度額の範囲内に収まるように回収するか、または販売しないといった行動が求められます。
与信限度額の運用については、債権金額と与信限度額の比較を定期的に行い、超過した取引先について迅速に対応する必要があります。具体的には、月1回など定期的に集計される債権残高と与信限度額を比較し超過した取引先をリストアップします。
与信限度額が超過するケースでは、以下の原因が考えられます。
    □ 回収が遅延してしまった。
    □ 販売が一時に集中してしまった。
    □ 回収遅延にもかかわらず新しい成約を入れてしまった。
    □ 信用度が著しく低下して、与信限度額が小さくなってしまった。
    □ ………
いずれの原因かを正しく把握し、迅速かつ適切に対応します。

2)回収遅延
回収遅延には、経営内容が悪化し「払いたくても払えない」場合もあれば、経営内容に特に変化はなく「払えるけれども払いたくないから払わない」といった場合もあります。いずれの場合でも、遅延の事実に変わりはないので、内容確認後には迅速に対応します。
手順としては、取引先の経理担当者に債権の金額と入金予定日を確認し、次の入金予定日を確定します。確定できない場合は、営業担当者が取引先を訪問し、当該金額の手形を請求するなどして不測の事態に備えます。
特に信用度の著しい低下を原因とする遅延先については、倒産時に備えて、売掛金の証憑化(売掛金を手形や公正証書に切り替える)や保証(個人保証や会社保証など)などの保全策を検討し実行します。

(3)信用情報入手
「信用情報」とは、企業の信用に関する情報のことで、ネガティブな面をとらえた情報を指すことが一般的です。内容としては、確固たる裏付けのあるものから単なる噂程度のものまで様々なレベルがあります。
実際に情報の出所が同業他社が意識的に流したものであったり、何らかのトラブルの両当事者がお互いに悪意を持って噂を流し合っていることもありますので取り扱いには細心の注意が必要となります。
信用情報は具体的には以下のような「情報」になります。
    □ 支払遅延…期日の支払いが滞っている。
    □ 手形割止め…当該企業の手形を金融機関に持ち込んでも割引ができない。
    □ 手形ジャンプ…手形支払期日が迫ってからの期日延長の要請があった。
    □ 給与遅配…従業員への給料が支払われない。
    □ 信用不安説…危ないというウワサが多く聞かれる。
    □ クレーム多発…商品に関するクレームが多発している。
    □ 問い合わせ殺到…信用調査会社に問い合わせが殺到している。
    □ ………
このような特別な情報を入手するためには、特別なルートなどが必要となりますので、普段から継続的な情報収集活動を実施する必要があります。
内容によっては、すぐに倒産に結びつく可能性もありますので、その場合は、「緊急対応」へ進みます。

2.緊急対応

「緊急対応」は、取引先の信用度が著しく低下し、倒産または倒産に極めて近い状態にある場合に実施する対応であり、基本的には、回収促進・取引停止・保全手段の実行などといった方法を採ります。
なお、「倒産」については、以下のいずれかに該当した場合に倒産と認識します(帝国データバンクの倒産の定義による)。
    1) 2回目不渡りを出し、銀行取引停止処分を受ける。
    2) 内整理する(代表が倒産を認めた取引先)。
    3) 裁判所に会社更生法を申請する。
    4) 裁判所に商法による会社整理を申請する。
    5) 裁判所に民事再生法を申請する。
    6) 裁判所に破産を申請する。
    7) 裁判所に特別清算を申請する。

(1)回収促進
緊急対応の場合は、倒産または倒産に極めて近い取引先が対象ですので、営業担当者や審査担当者が至急回収のための行動を起こします。具体的には、その取引先に出向き状況を把握し回収を迫るということになります。
この場合は、手形による回収も不渡りとなる可能性があるので、現金での回収が基本です。

(2)取引停止
緊急性が高い場合には、商品の出荷を停止し取引全体を凍結します。但し、「継続的供給契約」を締結している取引先に対して、出荷停止のための客観的・合理的な理由(「売掛金の決済が不可能」など)がないにもかかわらず出荷を停止すると債務不履行で損害賠償の請求を受ける恐れがありますので、注意が必要です。

(3)その他
緊急性が高い場合には、基本契約書に定めた条項(特約)を実行します。

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