T.与信管理準備
1.社内与信基準作成

(1)取引先評価方法の選定

評価するために収集する情報や、評価方法を選定します。

<情報の種類>
情報には、以下のように様々なものがあります。なるべく多くの情報を集めることが大切ですが、外部情報である程度網羅的に見てしまうのも効率的です。
    <一般情報>
    @ネット検索
    A登記簿情報収集
    B関与部門面談実施
    C業界情報収集
    D地域情報収集
    E顧客訪問
    <外部機関情報>
    @企業概要データ入手
    A信用調査報告書入手
    B財務データ収集
    C格付データ収集
    D各評価情報入手(評点、倒産予測値)
※「評点」は、企業の総合力を判定する評価情報になります。「倒産予測値」は、企業が倒産するリスクだけを推定する評価情報になります。

<評価方法>
自社格付を、様々な情報を元に自社で作成します。総合的に判断して主観的に評価する場合や、業績・資本構成・経営者等の各項目の評価を合計して総合評価とする場合等があります。
また、外部機関情報である「評点」「倒産予測値」を使用することによって自社格付を作成し、様々な情報をアラーム情報として活用することもあります。

(2)社内与信基準作成

具体的な与信可否判断基準等を作成します。

<与信可否判断基準>
自社格付または外部の評価情報(評点、倒産予測値等)により、以下のように判断します。

格付 既存取引先
取引可否判断 取引条件
1 取引可能  
2 取引条件あり 請求後2ヶ月以内の回収
3 取引条件あり 請求後1ヶ月以内の回収
4 取引条件あり 現金取引のみ
5 取引不可 -

(3)与信限度額ロジックの作成

与信限度額を算出するロジックを作成します。

世の中には様々な方法がありますが、ここでは評価指標を活用して計算する以下のロジックを示します。

@ 希望与信額
A 財務上限基準=自己資本×一定割合
B 売上債権基準=自社売上債権×一定割合×重み付け
C 仕入債務基準=推定仕入債務×一定割合×重み付け
D @〜Cのうちの最小値を与信限度額とします。

※一定割合は、企業におけるリスクに対する姿勢等によって決まります。
※重み付けは、
「基準となる指標の倒産発生率÷評価された指標の倒産発生率」という計算式が、最も精緻な方法となります。

2.社内体制の整備
(1)売上債権残高集計

毎月の取引先別の売上債権残高を集計できるように整備します。

必ず毎月の月末で締めて、企業単位に月末売上債権残高(売掛金+受取手形)を集計します。出来れば1週間ぐらいで集計が終わっていることが理想です。

(2)変動情報の入手

毎月または随時で、取引先に関わる変動情報を入手できる体制を整えます。

様々な情報ルートを活用して、変動情報を入手できるようにしておきます。同時に外部機関情報を入手できるように登録します。「SAFETY」「倒産予測値」等のサービスを利用しますと、ある程度網羅的に情報収集が可能になります。

(3)業務体制の整備

業務プロセスを実行できるように、役割分担および研修等を実施します。

営業部門と審査部門等の役割分担や責任の所在を明らかにし、研修等を通して与信管理の業務プロセスの説明等を行います。


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